社会復帰に不安を持つ人のサポート体制

病気や人間関係などによりいったん職場を離れてしまった人は、社会復帰に不安を抱えるものです。特に、仕事で失敗して挫折を味わった人は、社会復帰してもまた同じような失敗を繰り返すのではないかという強迫観念にとらわれることもあるでしょう。

ブランクが長いほど、不安は増大するものです。こうした悩みを持つ人を支援する組織として、サポートステーションのような厚生労働省委託の支援機関があります。こうした組織では、キャリアコンサルタントといった専門家が悩み相談に乗ったり、人間関係の苦手な人にコミュニケーション訓練を施してくれたりします。

また、協力企業で就労体験をして自信を付けることも可能です。就労体験の種類は様々で、畑で苗付けや収穫をしたり、接客のマナー講習を受けたりするなど、個人の要望に沿って好きなものを選べます。たとえ将来的に就きたい仕事と異なる業種の作業に取り組んだとしても、就労で汗を流すことにより、仕事への意欲や自信を深められるでしょう。特に、自分の向いている仕事がわからない人には、こうした就労体験が効果的だといわれています。何らかのスキルを身につけたい人のために、パソコンなどの講座も開かれ、基本的な操作技術を学べます。

このような支援機関は全国に170箇所以上あり、40万人を超える人が利用していて、利用者の60パーセント以上が社会復帰に成功しているのです。この機関を利用して1年未満のうちに就職できた人の割合は、およそ85パーセントと高くなっています。